「新生 洞爺湖・復興PR」龍神太鼓を打ち鳴らし

平成12年12月3日 島原新聞


新生 洞爺湖・復興PR

  キャラバン隊・支援のお礼を兼ね島原へ

龍神太鼓を打ち鳴らし

  噴火に負けず元気百倍

この7月に噴火以来三ヶ月ぶりに避難解除となった北海道有珠山のふもと
洞爺湖温泉の復興をPRする「有珠山・洞爺湖復興PRキャラバン隊」の一行
20人が、二日、島原市を訪れ、島原駅前で力強い復興太鼓を披露。
元気になった「新生・洞爺湖」をPRした。

有珠山の今回の噴火は洞爺湖温泉に近い「西山・金比羅山」側で発生。
年間280万人の観光客で賑わった同地は大ダメージを受けた。

その後、3.4ヶ月を経てこの夏には避難も解除され、ホテル・旅館も再開。
観光客を迎える準備は整ってきたものの「例年に比べ、まだまだの状態」だという。

そこで「これまでの支援へのお礼とあわせ、全国に温泉街の再開をお伝えしよう」と
被災者40人で構成する有珠山・洞爺湖復興PRキャラバン隊を編成。
(町の緊急雇用対策事業の一環。事業は(株)キャリアバンクに委託)

10月末から11月はじめにかけて道内を巡回した。
その後、二班に分かれて全国キャラバンを展開。

その一班が一日夜、
洞爺湖や有珠山の写真をあしらい「頑張ってます、洞爺湖」「ご支援ありがとう」などの
文字が書かれたチャーターバスで島原入りした。

二日午前9時前、島原駅前に降り立った一行、
「有珠山復興支援ありがとうございます。洞爺湖へお越しください」の横断幕や幟を掲げ、
「にわか練習で編成した」という復興太鼓を力強く演奏。
マイクで呼び掛け、観光パンフレットなどを配布した。

太鼓を演奏した被災者の一人は、
「地元洞爺湖に住むと伝えられている守り神・龍神にちなんだ龍神太鼓があり、
 それをアレンジしました。演奏は素人ですが、私たちの復興への思いを伝えたい。
 演奏の中では白鳥が舞う姿も表現しています」と笑顔。

隊長の八巻義昭さん、チーフの田中勲夫さんは
「被災地の一部は学習体験ゾーンとして整備されていますし、修学旅行などにも
 利用していただきたい。マイナス思考ではなくミレニアム年の天変地異から復興して
 ”新生・洞爺湖”という新しい観光地が誕生したことを強調したい」と話していた。

一行はこのあと、12月8日までに博多や広島、高松、神戸、大阪などを巡回する。