「北海道庁から視察に」

平成12年4月27日 島原新聞


北海道庁から視察に

  普賢岳噴火災害対策や復興事業

特に三角地帯かさ上げに関心

  虻田町が当てはまるかも

有珠山噴火に伴い北海道庁の道路計画担当職員が26日、
普賢岳噴火災害の被災地を訪れ、災害対策や復興事業などを視察した。

有珠山噴火被災地が普賢岳噴火被災地に類似していることから
国道を含めた道路の再編計画をはじめ、市町村・道・国の復興に向けた体制整備と
今後のタイムスケジュール、降灰対策とそれにかかる維持的経費、
火山堆積物の処理地の確保、噴火災害下で市町村が何を望んでいるかなどを調べ、
参考にするのが目的だ。

来島したのは道建設部道路計画課の中谷登主幹と上谷誠司主査、
同部道路整備課の新田和宏主任の三氏。

建設省長崎工事事務所と県島原振興局職員の案内で
最初に普賢岳噴火の土石流災害で度々寸断された県道愛野島原線、
災害関連で整備されこのほど開通した県道千本木島原港線(島原眉山ロード)
を視察。

このあと島原市役所で各種災害対策や復興事業について説明を受けた。

中谷主幹の話によると、
有珠山周辺では国道、北海道縦貫自動車道、JR室蘭本線の三動脈のうち、
時間規制で通行が可能な国道37号線のほかは通行不能で
再開のメドが立たない状況にあり、道路の代替機能やライフラインの確保、
火山堆積物の処理問題、泥流対策などが課題になっている、という。

嶋井助役(吉岡市長代理)は
「道路の整備にはまず上流の砂防事業を進め、安全を確保する必要がある」
などと指摘し、林田・市建設課長らが
災害対策や国への陳情など災害下で実施した各種のノウハウを説明した。

中谷主幹は
ことのほか市が実施した「安中三角地帯嵩上・区画整理事業」に興味を示し、
「火山堆積物の処理にとても効率的な手法であり、
 有珠山周辺では虻田町が条件に当てはまるかもしれない」と語った。

また、国道57号線のバイパスとして整備された国直轄の島原深江道路が
短期間に完成したことや、深江町道を迂回路として国道に編入した経緯など
国の素早い対応に対し、
「それだけ地元の要望が強かったのだろう」と関心しながら収穫のほどを語っていた。

一行はこのあと、国道57号水無大橋などなどを視察し、
深江町役場で現地の状況等について説明を受け、
さらに島原深江道路や水無川1号・2号砂防ダムを視察した。

きょう27日は建設省雲仙復興工事事務所で火山災害の経過や直轄事業等について
説明を受ける。