「有珠山だより」その2


島原ボランティア協議会 高木浩徳 氏    島原新聞 平成12年5月13日


仮設の布団は中古
 災対本部プレハブに移転  

5月9日(火曜日)
9日現在、有珠山の様子に変化はありません。
噴煙は大きなものが3本、活発に出ていますが、いずれも水蒸気で、
火口は大小合わせて69個もあるそうです。
煙は白色で、種村さんが普賢岳で撮影したビデオと同じような煙です。

本日、虻田町が準備した仮設住宅用のフトンが虻田町体育館に到着しました。
マットレス、敷布団、かけ布団の3点セットが670組ありましたが、
どれも中古でかなりきたないものです。破れてはいないものの、相当くすんでいます。
おそらく、どこかの旅館の使い古しだと思われます。

旅館の洋室によく使われるフリルのついたベッド用のかけ布団を見て、
とくにそう思います。

3枚セットが670組なので、都合約2000枚のマットレスと布団が
大型トラック2台、2トントラック1台に積まれて到着し、
これを
ボランティア8人と役場職員4人、それに虻田町社協事務局長(?)、
虻田町自治会連合会長(?)の合計14人で
体育館に搬入しなければならなかったので大変でした。

体育館の中には、島原や神戸の時と比べると非常に少量の物質が、
整然と置かれていました。

追伸
桜のつぼみがふくらみ始めました。
しかし、朝晩はまだ寒いです。


5月11日(木曜日)
伊達市役所の3階と4階の全フロアを使用していた災害対策本部が、
新設されたプレハブ合同庁舎に移動しました。

有珠山噴火災害に対しては、
国と道が現地対策本部を設置し、被災地の最前線で対応していますが、
その本部はこれまで、
市役所内の3階と議場や議員控室などのある4階を占領していました。
しかし、
発災から1ヶ月が経過した今日、災害は長期化の様子を呈してきたため、
国と道ではプレハブの合同庁舎を建て、
5月8日をもって移転することになったわけです。

これに伴い、自衛隊の前線本部も合同庁舎のほうへ移り、
市役所は通常の状態に戻りつつあります。
市役所のタバコの自動販売機は、これまでマスコミや行政関係者をはじめとする
大勢の人が出入りしていた当時、売れに売れ、このため自動販売機を管理していた課では、
大量のタバコを準備しなければなりませんでした。
ところが、
今回の災害対策本部の移転でタバコを買う人が激減し、
課では大量のタバコの在庫をかかえることになってしまったという次第。
思わぬ所にシワ寄せが、、、

それはさておき、山の状況には大きな変化もなく、
最も危険だと思われている洞爺湖温泉街にもいよいよ一時帰宅が認められそうです。

また、壮瞥町では、全町にわたり避難が解除されることとなり、
洞爺湖周辺では最大規模のトウヤサンパレスホテルも営業を再開する予定だそうです。