「有珠山だより」その4


島原ボランティア協議会 高木浩徳 氏    島原新聞 平成12年5月17日


一部不人気な仮住も

5月14日(日曜日)
この日は、虻田町体育館にあったフトンと日用品を
伊達市内に整備中の仮設住宅に搬送する作業でした。
搬送先は、古い市営住宅を修理して仮設住宅として使うことになった
「にれのき団地」というところで、建物はかなり傷んでいました。

仮設住宅の入居権があたった人が物資を取りにくるということで待っていたのですが、
40世帯ほどの方が見える予定のところを8世帯しか見えず、
結局物資はまた虻田町体育館まで運んで下ろすことになりました。
ボランティアの仲間たちは、
「せっかく積んだのにまた降ろすの?」とブツブツ文句を言っていましたが、
まあ、これは仕方のないことでした。

そこで、いっしょに物資の運搬に参加された虻田町消防団の方が、
入居に当たった友人に、荷物をとりに来るように連絡されたところ、
その人は、
「自分はそこには入らない」と返事されたとか。
聞いてみるとここの仮設住宅への入居に当たっても、
実際には入居しないという方がかなりの数いらっしゃるそうです。
こんなことは島原や深江では経験しなかった状況といえます。

ところで、この日の夜には、伊達災害ボランティアセンター設立後、
はじめてのボランティア全員参加の食事会が開かれました。
今こちらは桜が満開で、花見でもやりたいねという話から、
ボランティアセンター設立後1ヵ月半もたつのに、
これまでメンバーが一堂に会し食事をともにする機会を持てなかったこともあって、
ぜひやろうということになったわけです。

不自由な避難生活を送る人がいる中で、ボランティアが花見をしていいのかどうか
悩みもあったのですが、長期間にわたり活動に参加しているボランティア仲間の中にも、
疲労の色が漂うような状況なので、ともかく敢行することに決まりました。
この試みは大成功で、おかげでみんなの気分転換とリフレッシュのよい機会になりました。

ただ、夕方から雨が強くなったので、花見はジンギスカンの食べ放題という趣向で
一時間の制限時間となり、参加者全員パクパク食べるのに一生懸命でした。

5月15日(月曜日)
伊達災害ボランティアセンターを引っ越すことになりました。
これまでは、伊達市役所の本庁舎横にある水道部建屋の中にあったのですが、
6月の衆議院選挙のための事務所に使用されることが予想されたため、
出て下さいといわれる前に出たほうがよいだろうという
佐藤本部長の判断で引越しを決定したのです。

新しいセンターは、民間の空家を借り上げたもので、
これまでに比べると手狭なため、打ち合わせや反省会の場所すら確保できず、
場所の取り合いが起こるほどです。

新住所は、
「北海道伊達市本町30番地 伊達災害ボランティアセンター」となっています。
ぜひボランティアの諸君に励ましのお便りをお願いします。