有珠山噴火から1ヶ月 警戒なお必要

                              平成12年4月30日 長崎新聞


有珠山噴火から1ヶ月 警戒なお必要

噴火から1ヶ月を迎える北海道・有珠山は29日、噴火の規模が小さくなるなど
活動が沈静化の様相を見せているが、
専門家は
「過去に有珠山がこの程度の噴火で終わった例はない」として、
大規模な噴火に引き続き警戒を呼びかけた。

避難者の8割以上を占める虻田町の住民に対し同日午後、
仮設住宅への入居説明会が開かれた。
入居は5月上旬に始まる予定。

噴火で不通になっていたJR室蘭線もこの日、
洞爺−長和間で旅客列車の運転を再開した。
今後1日3往復の運転を行う。

北西山ろくの西山西側と金比羅山ではこれまでに50以上の火口を形成。
29日の上空観測の結果、火山噴火予知連絡会有珠山部会は
「火口の大きさに見合った勢いのある爆発が見られなくなっている」と、
当初に比べ噴火の爆発力が低下しているとの認識を示した。

また地盤が約30m盛り上がっているのが確認された西山西側の火口付近でも、
最近になって隆起がほぼ収まっている。

虻田町市街地を流れる板谷川の泥流対策として建設省などは、
上流部に土石をせき止めるための遊砂地を建設する事を決めた。

雲仙・普賢岳の災害現場でも活躍した遠隔操作による無人重機を使う。


写真 29日午後、北海道虻田町
     泥流対策のため、板谷川の川岸で進められる土のう設置作業。
     後方は噴煙を上げる有珠山西山