長崎新聞

平成13年12月31日(月)「避難先で2度目の年越し」


「避難先で2度目の年越し」

三宅島の3600人 帰島のメド立たず

火山活動が続く伊豆諸島・三宅島(東京都三宅村)の
全住民約3600人は、避難先で2度目の越年を迎える。

今年7−10月に、滞在数時間の一時帰島は実現したものの、
今も大量の火山ガスが放出。

約一年4ヶ月の長期避難で精神的、経済的にも追い詰められている
住民が古里に戻れるめどは立っていない。

三宅村によると、
人口は昨年9月の全島避難時から転出や死亡で約240人減少。
東京都の公営住宅を中心に一都一府十六県に分散避難している。

「自助努力しているが、お金がどんどん出て行く。
 最低限の生活を送れるよう支援してほしい」

都内で避難生活を送る大工の平川大作さん(46)ら
三宅島住民が26日、都庁で記者会見し窮状を訴えた。

船を避難させた静岡県下田市で暮らす漁業佐々木弘佳さん(66)は
「家族が東京にいる二重生活のため出費がかかる。
 冬は海が荒れて漁もできない」。


火山ガスなお大量放出

全島避難以降、大規模な噴火はないものの、
火山ガスの二酸化硫黄が一時は一日四万トン以上と大量に放出。

最近は、一日一万−二万トンに減ってきたが、
依然高いレベルで「安全の一つの目安」とされる
数千トン以下には至っていない。