長崎新聞

平成14年5月13日(月)「支援格差を痛感」


三宅島 民生児童委員

支援格差を痛感 
島原で復興の活動学ぶ

火山ガスの放出で全島避難が続く伊豆諸島・三宅島の
民生児童委員協議会(窪寺昇会長)の会員10人が
11、12、の両日、島原市を訪問。

島原市民生委員児童委員協議会連合会(松本博会長)と
意見交換するなどし、
雲仙・普賢岳噴火災害時の民生委員活動や復興の軌跡を学んだ。

三宅島は1年8ヶ月を超える全島避難が続いていて、
いまだに帰島のめどは立っていない。

窪寺会長は12日の意見交換で
「避難先は東京都内外に分散し、コミュニティーの面で困難性がある。
 委員もどう住民のお世話をすればいいのか悩んでいる。」
と現状を説明。

三宅島の各委員は
子どもへの心のケアや行政への要望の仕方などを質問。

三宅島島民連絡会の副会長も務める石井節美さんは
「一時帰島したときには、雑草さえなく、見るも無残な状況だった。
 11日に視察した普賢岳は豊かな緑にあふれていて、
 ふるさとを懐かしく思い出した」
と涙を流した。

島原市の委員らは、
仮設住宅入居者への訪問相談、独居老人などを重点とした
ネットワーク台帳作成と安否確認の強化など、災害時の活動を紹介。

島原市災害対策課が、県の雲仙岳災害対策基金などを活用した
住宅再建時の各種助成や、
行政の食事供与事業などについて解説すると
「島民への支援策が手薄」
という三宅島の委員たちはその格差に驚き、熱心にメモを取っていた。

窪寺会長は
島民は行政に対しておとなしすぎるのかもしれない。
 今後の力になった。帰って、学んだことを伝えたい」
と述べた。