島原新聞

平成13年5月30日(水)「島民を救う道を模索」
            三宅村議一行研修に来島


噴火が続く伊豆諸島・三宅島から
山田和快村議会議長をはじめ議員6名が29日朝、島原市役所を訪れ、
雲仙普賢岳噴火災害時の対策や復興のノウハウを学んだ。

昨年7月雄山が噴火し、2ヵ月後、
全島民約3800人が東京都に避難して9ヶ月が経過。

今月から復旧作業を開始したが、
火山ガスの放出で1日2〜4時間と限られ難航している。

島民は先行きの不安に加え、日々の生活に追われてストレスは募る一方。

村議会議員が3班に分かれて、北海道と鳥取も視察し、
三宅島の復興計画をまとめたいとしている。

霜田市議会議長が
「本市は官民一体となって災害を乗り切ることができた」と述べたのにつづいて、

嶋井助役が
「1日も早く山が鎮火し、防災対策ができることを願っている」と激励した。

山田議長は
「90数ヵ所に分かれて避難しており、コミュニケーションも図りにくい。
 住民の生活も限界に達している」と厳しい状況を紹介した。

最初に雲仙普賢岳噴火災害の特徴及び救援について説明を受け、
事前に提出された
「国・県・市・町の連携」「噴火災害の金融対策」「農業・漁業の振興策」など
12項目の質問について各担当課が回答した。

被災者救援について「1人1日1000円の食事供与事業は素晴らしい」と評価し、
「島原は仮設住宅だったが、私たちは民間などの住宅を借りている。
 その対応また介護保険問題と山積みだ」とアドバイスを求めた。

熱心にメモを取りながら、村議一行は
「復旧も大切だが、今日明日をどうするか、
 生活の安定をどう守っていくかが最も重要な課題だ」と
収入が途絶え行き場がないストレスを抱える島民を救う道を模索した。

このあと一行は現地を視察し、復興の様子を瞼に刻んだ。