島原新聞

平成13年8月19日(水)「教えて復興の手立て」
            自然を生かした観光の三宅から


カギはやはり住民パワー
 島原など参考にビジョン

東京都・三宅村の委託を受けて
三宅島自然ふれあいセンター「アカコッコ館」を管理運営している
(財)日本野鳥の会のサンクチュアリセンター職員2名が
17日、普賢岳噴火災害の被災地・島原市を訪れ、
自然を生かした観光の島として三宅島を復活させるため、
復興の足取りなどを学んだ。

噴火災害により今なお厳しい避難生活を強いられている三宅島の住民。
今年五月から復旧作業が開始されたが、火山ガスの影響で作業は難航。
一部島民の帰島も許可されたが、
本格的な復旧・復興はこれからという厳しい局面を迎えている。

観光の名所となっていた同センターも噴火に伴い常駐していた職員らが避難。
同野鳥の会では現在、三宅村の委託を受けて
「将来のビジョンを作るため全国の被災地の復興事例を集め、
 自然を生かした元の観光の島として復興させる手立て」を探っているという。

来島したのは
同会・サンクチュアリセンターの
今永正文氏(所長付)と箱田敦只氏(普及室長)の両氏。

16日に県島原振興局、国土交通省雲仙復興工事事務所、
道の駅・みずなし本陣ふかえ、を訪れ、
普賢岳噴火災害からの復興状況などを学んだ。

17日は島原市災害対策課を訪問し、島原新聞社では
災害下での住民の取り組みや心の内、経済復興などについて調べた。

両氏は
「噴火災害で同じ辛い体験をしてきた方々が
 ”自分たちの経験を三宅島に生かしてほしい”との思いで熱心に説明してくださった」
と感謝したうえで
「復興のカギは住民から沸き上がってくるパワー、元気が源だとわかった。
 三宅島は避難先がバラバラで、住民パワーの元となる
 コミュニケーションがなくなっているのがネックだとあらためて実感した。」
と話していた。

両氏はこのあと、千本木地区の治山ダム郡を見たあと、島原まゆやまロード沿いから
平成新山、水無川流域の復興状況などを視察し、雲仙へ向かった。

同会では今年中に有珠山なども調査し、
復興に向けたビジョン等を盛り込んだ報告書を年度内にまとめ、
三宅島に提出する方針。